004_条件付き確率の意味を説明できる

解説

条件付き確率とは、ある事象Aが起こる条件下で、別の事象Bが起こる確率のことをいいます。
記号では[math]P(B|A)[/math]などと表現し、Aが前提の上でBが成り立つ確率となります。
数式による定義は、[math]P(B|A)=P(A\land B)/P(A)[/math]と表現されます。

例)
・「あなたに彼女がいたとして、美女である確率は?」という問題の場合、「P(美女|彼女)」となります。

条件付き確率を説明する上で有名な問題がいくつかありますが、
ここでは、子供の性別を題材にした問題を取り上げて、説明していきたいと思います。

■問題
ある夫婦には子供が2人います。2人のうち少なくとも1人は男の子であるということが分かりました。このとき、2人とも男の子である確率を求めてください。
※男の子が生まれる確率、女の子が生まれる確率はともに[math]1/2[/math]とします。

■解答
男の子が生まれる確率、女の子が生まれる確率はともに[math]1/2[/math]なのだから、
2人目が男の子の確率も[math]1/2[/math]だろう。

と考えた方もいたのではないでしょうか。
しかし、残念ながら答えは「[math]1/3[/math]」です。

それでは、本当に[math]1/3[/math]になるのか、説明していきます。

条件付き確率の記号で表現すると、
A:少なくとも1人は男の子
B:2人とも男の子
となります。そのため、求める確率は[math]P(B∣A)[/math]です。

では、[math]P(B|A)=P(A\land B)/P(A)[/math]の分子・分母を求めていきましょう。

まずは、分母の[math]P(A)[/math]を求めます。
全組合わせは1「兄♂、弟♂」、2「兄♂、妹♀」、3「姉♀、弟♂」、4「姉♀、妹♀」となるため、少なくとも一人は男の子の確率は、4の場合を除く[math]P(A)=3/4[/math]です。

次に、分子の[math]P(A\land B)[/math]を求めます。
少なくとも1人は男の子で、2人とも男の子の確率(=つまり2人とも男の子の確率)は、[math]P(A\land B)=1/4[/math]です。

求めたものを代入すれば、
[math]P(B|A)=P(A\land B)/P(A)=(1/4)÷(3/4)=(1/4)×(4/3)=1/3[/math]となります。

前提となる条件が存在する場合は、条件付き確率で考える必要があることを理解できたと思います。

ステップアップ

条件付き確率は、ベイズの定理を導出する際に利用されます。
ベイズの定理は、スパムメールの判定、マーケティング、人工知能など汎用的に活用可能です。
詳しくは、こちらで説明するためここでは割愛します。

キーワード

  • 条件付き確率
  • *ベイズの定理

ソースコード

データセット