155_代表的な音声フォーマットの概要を理解している

【MP3】
MP3は「MPEG Audio Layer-3」の略で、MPEG(エムペグ)という動画ファイル形式で利用される音声圧縮形式です。
拡張子は「.mp3」となります。Layer(層)は1~3があり、その中で最も圧縮率が高いのが「Layer-3」になります。
MP3は前述のとおり、MP3コーデックで符号化したデータを、
そのままMP3フォーマットに格納してMP3形式とすることもできますし、
MPEG等の動画コンテナの音声部分として他のコンテナファイルに格納することもできます。
MP3は、非可逆圧縮のため劣化を元に戻すことはできませんが、
CD並の音質を保ったまま、約10分の1程度までサイズを圧縮することができるコーデック(フォーマット)です。
MP3形式の音楽ファイルは、高音質でファイルサイズも1曲3~5MB程度と小さいことから、
ウェブや携帯音楽プレーヤー等で広く普及しており、MP3形式は今現在で最も普及している音声圧縮形式と言えます。
MP3形式(フォーマット)の音声ファイルの作成には、「LAME(レイム)」などのMP3エンコーダが用いられるのが一般的です。
※ エンコーダもコーデックと混同されやすいので注意が必要です。

エンコーダは、その規格のコーデックを使用してフォーマットを作成(符号化)するソフトウェアや機器になります。
LAME(レイム)などの優れたMP3エンコーダや、多くのデコーダ、
プレーヤーソフトがライセンスフリーで利用できることが普及の要因と言われています。
ただし、著作権保護のための不正コピー防止機能等を持っていないため、
MP3形式にコピーされた不正ファイルがウェブを介して出回り、社会問題となっています。
MP3形式に限ったことではありませんが、コピーしたファイルを個人で楽しむのは良いですが、
第三者に配布すると違法となります。また、個人のウェブサイトにコピーをアップロードしても、第三者への提供と見なされ違法となりますので注意してください。

また、MP3をベースに音質と圧縮率を向上させ、音質を保ったままMP3の約半分まで圧縮できる
「MP3PRO(エムピー スリー プロ)」という圧縮方式も開発されています。
【AAC】
AACは「Advanced Audio Coding」の略で、
MPEG2またはMPEG4と呼ばれる動画形式で採用されている音声圧縮形式です。

MPEG1という動画形式で採用されている音声圧縮形式がMP3であり、MP3の後継というべき形式です。
MP3が広く普及していたために普及率が上がりませんでしたが、
Apple社製品のiTunesやipod、携帯電話の着うたなどが採用したために、広く認知されることとなりました。

AACはMP3と同様に、AACコーデックで符号化されたデータ圧縮形式を、
そのままAACフォーマットに格納してAACファイルとすることもできますし、
コンテナファイルに格納することもできます。拡張子は、どのようなコンテナに格納するかによって変わります。

例えば、MPEG4のコンテナフォーマットに格納すれば「.mp4」となり(音声ファイルの場合は「.m4a」となることが多い)、
MP3と同様にAACデータをそのままファイル化した場合は、拡張子が「.aac」となります。
(MPEG4コンテナには、AAC以外にもMP3などを格納することができます)

AAC形式の音声ファイルは、MP3形式よりも1.4倍ほど圧縮率が高く、サンプリング周波数も、
MP3が48KHzまでだったのに対し、AACは最大96KHzまでをサポートしています。

主に、Apple社製品に代表される携帯マルチメディアプレーヤーや、携帯の着うた、
ウェブ上の音楽配信、デジタル放送の音声部分などで広く利用されています。

また、不正コピー防止機能を備えています。

【WMA】
WMAは「Windows Media Audio」の略で、Microsoft社が開発したWindows標準の音声圧縮形式です。拡張子は「.wma」となります。
CD並の音質を保ったまま、22分の1(64Kbps)まで圧縮することが可能とされる高圧縮・高音質のファイル形式です。

また、著作権保護のために暗号化を行うことが可能で、不正なコピーを防止したり、有料コンテンツとして配信することができます。
WMAも、MP3やAACと同様に符号化データをそのままフォーマット化したり、WMVという動画コンテナの音声部分に格納されることもあります。
AACと同様に、音楽配信などで広く利用されています。

【WAV】
WAVE形式(または、WAV形式)は、Windows標準の音声ファイルフォーマットで、拡張子は「.wav」になります。

符号化方式については特に規定されておらず、任意のものを利用することができますが、
基本的に非圧縮の形式ため、BMP形式同様にファイルサイズが大きいという特徴があります。
ファイルサイズは、1分間の音声で約10MBを必要とします。

ただし、音質は音楽CDとほぼ同じであり、そのため、原音として最初の録音時にWAVE形式で保存し、
WAVE形式から各コーデックによって圧縮したフォーマットに変換するといった使われ方が一般的です。

また、複雑な音声であっても無音であっても、同じビットレートで記録するため、
一定時間あたりのファイルサイズは変わらないという特徴もあります。

【Vorbis】
Ogg Vorbisは、ライセンスフリーの音声圧縮形式で、コンテナフォーマットが「Ogg」、
コーデックが「Vorbis」で、合せて「Ogg Vorbis」となります。
拡張子は少し複雑で、音声の拡張子を「.oga」、動画の拡張子を「.ogv」とし、
共通の拡張子は当初「.ogg」とされていましたが、「.ogx」に変更されています。ただし、「.ogg」は互換性のために残されています。

Vorbis形式は、MP3コーデックが特許ライセンスを請求し始めたために自由に利用できないことから、
ライセンスフリーな代替の非可逆圧縮形式として開発されました。

Vorbisは、可変ビットレートで圧縮し、同じビットレートならMP3よりも高音質とされ、
同じ音質ならMP3よりも圧縮率を高くすることができます。

また、Oggコンテナには、Vorbis以外の圧縮形式を格納することもできます。
典型的なものがVorbisであり、Vorbisを格納したOggが「Ogg Vorbis」となります。
【AC3】

【FLAC】
FLACは「Free Lossless Audio Codec」の略で、主にコーデックとして使われます。
可逆圧縮のため、圧縮前の元の状態に完全に復元することができます。
FLACはライセンスフリーの形式で、多くはOggコンテナに格納され、Ogg FLACと呼ばれます。
拡張子は「.flac」または「.fla」になります。

CDなどの音源をパソコンに取り込んで保存しておく時には、可逆圧縮のFLACなどの形式に変換して保存しておけば、
少ない容量でいつでも原音を完全に復元することが可能になります。

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