必要標本数の公式
標本誤差から必要標本数を求めるには,標本の大きさから標本誤差を求める公式を標本誤差から標本の大きさを求める式に逆転すればよい。
信頼度 95 %における標本の大きさを求める式は次の通りである。
この式の母比率 P や母分散は実際には不明であるから,過去の類似の調査や資料等を参考にして予想値を代入する。
また,標本誤差は,その標本調査でどの程度の誤差を覚悟するかという許容水準となる誤差の大きさである。
[標本の大きさを求める公式:有限母集団]
比率の場合 平均値の場合
//数式を記載する
ただし,Nは母集団の大きさ
nは標本の大きさ
Pは母比率の予想値
eは信頼度 95 %での標本誤差の許容値
[標本の大きさを求める公式:無限母集団]
この式の計算は煩雑なので,パソコンの表計算ソフトに式を埋め込んでおいて標本設計の条件となる数値を入力すれば必要標本数が自動的に計算されるようにするとよい。
例 1 万人の高齢者母集団から要介護高齢者の比率を求める調査を行うこととして,(5)式からnを求めてみよう。式を解くためには母比率 P ,標準誤差 e を決めなければならない。母比率Pはわからないので予想値 10 % としてみる。許容できる標本誤差 e はニーズ推定にあまり大きな誤差は困るので 2 % を限度とする。これらの数値を(5)式に代入すると,
という計算結果が得られる。つまり, 1 万人の中から無作為に 795 人を抽出すれば,母比率±2 %の範囲から 95 %の確率で標本を得ることができる。調査の回収率を 75 % 程度と見込めば 1,000 人を抽出しておいたほうがよい。
※母比率Pをどのように仮定すべきかが記載されていないため調査すること